月別アーカイブ: 2013年9月

米国Westfieldオルガンコンクール 高野温子さん2位入賞!

アメリカWestfield オルガン国際コンクール2013 Final

ニューヨーク州 ロチェスターで行われていたWestfieldオルガンコンクール、18世紀オリジナルのイタリアオルガン、リトアニアに現存する1776年 Adam Gottlob Casparini のオルガンをモデルとして作られた楽器、コーネル大学にはArp Schnitgerをモデルとした楽器、この3台のオルガンを弾き分ける国際オルガン・コンクールが開催され、3人にまで絞られた最終ラウンドの結果、日本人の高野温子さんが見事第2位入賞されました。
おめでとうございます!
Westfieldオルガンコンクール HP

国際クラヴィコード・シンポジウム 宮本とも子さんの参加報告

第11回 国際クラヴィコード・シンポジウム 2013年9月3日~7日 参加報告

宮本 とも子

シンポジウムはミラノから115km,トリノへ65kmほどに位置するサンティア駅から車で20分ほど丘を登る小さな村、マニア―ノで行われました。2年ごとに行われてきたシンポジウムは今回第11回目を数え、創設から20年目の節目の年となりました。今回のテーマは、2014年に生誕300年を迎える「C.P.E.バッハ」そして「すべての鍵盤楽器への鍵『クラヴィコード』」、「その他」ということで、14か国(英国、スイス、オーストリア、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、米国、カナダ、メキシコ、ブラジルそして日本)から28名が発表者または演奏者として登録参加致しました。

 

9月3日の夕方、村長宅の庭先でカクテル・パーティーが開かれました。村長さんと主催者Bernard BrauchliとChristopher Hogwood両氏から歓迎の挨拶があり、その後、村唯一のホテルで夕食会が行われ、和やかな雰囲気の中でシンポジウムが始まりました。

 

4日の朝はChiesa di Santa Martaを会場として9時からのHogwood氏の開会挨拶に続いて45分刻みで興味深いプレゼンテーションが行われました。発表者の言語は英語と決められています。Eva Heleniusによるスウェーデン王室の楽器製作家J.C.Fleischer IIの業績紹介、Lothar Bemmannによる失われたG.Silbermannのクラヴィコードについての話、そしてMichael Guentherは18世紀後半に製作されたオリジナルのPantalonを持参されて、文献を紹介しながら、C.P.E.Bachの曲を演奏してくださいました。ダンパーのないスクエア・ピアノのような不思議な響きの鍵盤楽器でした。

 

午後はAlfons Huberがゲブンデン・クラヴィコードのための調律法について、Michael TsalkaがJohann Baptist Vanhalの作品についてレクチャー・デモンストレーションを行いました。

 

4日と7日の夜は会場をChiesa Romanica di San Secondo教会に移して、4つのプログラムがEvening Performanceとして取り上げられましたが、筆者は、そのトップ・バッターとしてJ.S.バッハのクラヴィア・ユーブング第III部のデュエットとC.P.E.バッハのソナタハ長調(Wq65/41を演奏。続いて、Marcia HadjimarkosとJovanka Marvilleが2台のクラヴィコードで楽しいバッハ親子のプログラムを展開しました。

 

5日は朝9時から筆者が「クラヴィコードが如何にオルガン教育、ピアノ教育に有益であるか」を25年間の教育歴をもとに披露。その後、Menno van DelftがC.P.E.Bachらが書いたDamensonaten を文献と演奏で紹介。引き続き、クラヴィコードの演奏だけで生活を営んでいるフィンランドのAnna Maria McElwainが、J.E.Roman, F.I.Lithander,

J.M.Krausの曲を紹介なさいました。

 

午後の部では、Ingrid Erikson Hagenが音楽のAffectを共有する実験をヴィデオ映像とともに紹介。ベルゲン近郊の駅構内にクラヴィコードを持ち込み、普段着で演奏しているときには誰も振り向いてくれないところを派手な衣装をまとって演奏してみると、遠巻きに振り向く人が誘い水になって、楽器の周りに足を止めた人たちの輪ができる模様など、創意工夫に満ちた内容に会場も大いに沸き、時には大爆笑も起こりました。休憩をはさんで、Rachel Heardがフォルテ・ピアノでC.P.E.BachのKenner und Liebhaber Wq.59からVol.6の作品を紹介しました。

 

6日は朝一番にChristopher Hogwoodが「前奏する習慣」について興味深いレクチャーを聞かせてくださいました。20世紀前半に至るまで、ピアニストの間でも演奏プログラムの前に、会場の音響や楽器の特性を知るために演奏者が即興をすることや、曲と曲との間の調性を滑らかに移動させるため、または次の曲のモチーフを紹介するために即興することがとても日常的であったことを話され、文献も用意されました。次に、Joan Bensonの ”The Interplay of Clavichord and Piano” がDerek Adlam氏によって代読されました。Joanは80歳後半のため、今回のシンポジウムへの参加は叶いませんでしたが、寄せられたテキストの中で、ご自身がEdwin Fischerの弟子であること、指の独立性や音楽への集中を高めるために如何にクラヴィコードが有益であるかということ、そして20世紀に活躍したピアノの巨匠たちとクラヴィコードとの関わりについての証言をいくつか紹介くださいました。そして、「クラヴィコードは芸術的な気づきを与えてくれる楽器」、と結ばれていました。

 

午前の部の最後はフィンランドから参加した若手音楽家Anne HatonenがJ.J.Froberger, C.P.E.Bach の作品とともに、H.HowellsのLambert’s Clavichordを演奏して会場を新鮮な響きで満たしてくださいました。午後は自由行動でした。

 

最終日7日も朝9時からNorberto BrogginiがJ.E.Bach, J.C.Bach, C.P.E.Bachの作品をフォルテ・ピアノで紹介。その後、Albert Muehlboeckが米国のシンシナチ大学音楽博士過程修了のために執筆した論文 ”Recovering the Clavichord for the modern Pianist” を紹介。執筆途中に問い合わせを受けた筆者を含む当日参加者数名からの引用文も紹介されました。

 

今回は楽器持参の製作家が日本から参加された高橋 靖志氏のみだったこともあり、楽器紹介のイヴェントが最終日の午前中最後のコマに移動しました。高橋氏は、前回楽器を持参して参加したシンポジウムにてビルダーの諸先輩から頂いた「宿題」を今日までの間にどのように解決したかをわかりやすく紹介されました。そのうちの一つ、日本クラヴィコード協会の復活への期待については、筆者が新しくThe Japan Clavier Societyが誕生したこと、現在の登録者数が70名ほどであることを説明しました。その後、高橋氏が今回持参された17世紀イタリアの楽器をモデルにしたゲブンデン・ショート・オクタヴのクラヴィコードで筒井一貴さんがデモンストレーションとしてPachelbelの作品を演奏されました。

午後の部では、Edward C.Pepeがメキシコで発見したクラヴィコードについて紹介し、その後Ulrika DavidssonがC.P.E.Bachの”18 Probestuecke in sechsSonaten, Wqu.63 1-6”よりI, IV, VIをクラヴィコードで見事に演奏されました。プログラムの開始時と曲間には今朝一番のレクチャーに基づき、短い即興演奏を入れられ、Hogwood氏の顔に笑みがこぼれました。

 

夜の演奏会は、Roman Chladaが高橋さんのクラヴィコードでW.Ebnerの変奏曲を、Michael TsalkaがW.F.Bach, J.B.Vanhal, W.A.Mozartの作品を披露しました。

 

短い期間ではありましたが、夕食の時や3時間確保されていた昼休みに、参加者同士、ゆっくりと知り合う機会に恵まれました。一方で、シンポジウムの言語が英語であったために地元イタリアからの参加者がおられなかったことが残念でした。

 

今回の発表内容は10月末日までに入稿されたものが第11回 クラヴィコード・シンポジウムの記録として出版される予定ですのでご期待ください。

 

以下、クラヴィコード・シンポジウムの案内サイトです。

http://www.musicaanticamagnano.com/index.php?option=com_content&view=article&id=30&Itemid=27&lang=en

 

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[ミーントーンのパイプオルガンコンサート] 2013/10/14 軽井沢

~軽井沢ヴィラセシリア音楽堂
イタリアルネサンスオルガン2周年記念コンサート~
10月14日(月・祝)14時30分開演

♪残響6秒の空間に設置された16世紀のイタリアルネサンス様式の
ミントーン調律による美しいパイプオルガンの音色をお聴きください♪

M-A.カヴァッツォーニ: レセルカーダ
「もう後悔しない」「私の心をつかむ婦人」
G.カヴァッツォーニ:リチェルカーレ 第1~4番、
マニフィカト 第1旋法、第4旋法、第8旋法
「めでたし海の星」「すべてのものの救い主キリスト」他

会場 軽井沢ヴィラセシリア音楽堂  (軽井沢駅徒歩10分)

演奏 和田純子
入場料:2,000円 (コンサート終了後、演奏台見学可)

予約・問合せ 0267-41-4075(軽井沢ヴィラセシリア)
http://www.k5.dion.ne.jp/~cecilia/index.htm

1877年製エラール使用のCD発売

ピアノ、フォルテピアノ奏者である伊藤綾子の、初ソロアルバム発売の お知らせ。
9月28日(土)に1877年製のエラールで演奏しました、ソロアル バム”オマージュ~Hommage”
がリリースされます。ドビュッシー、リスト、ファリャのピアノ作品を 収録しています。
ブックレットには、使用楽器、そしてエラール社についての記述を載せ ています。
19世紀のフランスを代表するピアノであるエラール、オリジナル楽器の音色を聴いて頂ければ嬉しいです。
そしてこの楽器は,10月10日(木)より開催されるブリヂストン美 術館主催「カイユボット展」にて、3ヶ月ほど展示されますので、実際に目で見ても楽しんで頂けます。
(同美術館所蔵の印象派の絵画の中に、ほぼ同形のエラールが描かれています)

[チェンバロ・オルガン他 コンサート] 2013/10

☆鎌倉音楽茶論@カフェ・サンスーシ
フリードリヒ大王に格別の思い入れのあるオーナーが付けた店名がカフェ・サンスーシ。10月はフリードリヒ大王と楽長ベンダ、伴奏者C.P.E.バッハの作品を取り上げます。
サンスーシ宮殿で奏でられたであろう曲を、こじんまりと親密でありながら、響きの良い空間でお聴き頂きます。

10月20日(日)  14:00〜15:30、17:00〜18:30

  「サンスーシ宮殿の音楽 その4」
フリードリヒ大王 フルートソナタ ロ短調
F.ベンダ  フルートソナタ 二長調
C.P.E.バッハ プロイセンソナタ 第5番 他
フラウト・トラヴェルソ 森本薫 チェンバロ 小島直子
カフェ・サンスーシ   鎌倉市雪の下 3-10-23
会費 2600円 (珈琲付き、ケーキセット付き+400円 ) 定員15名
要予約  (0467-23-7223)
htt://sanssouci.cafe.coocan.jp
☆関東学院大学金沢八景キャンパスチャペルミニコンサート
10月24日(木)17:30〜17:50
J.パッヘルベル シャコンヌ へ短調
J.S.バッハ おお罪人なる我、何を為すべきや BWV770 他
パイプオルガン 小島直子 入場無料
関東学院大学 横浜市金沢区六浦東1-50-1
京急金沢八景より徒歩15分
☆横須賀中央教会コンサート
木の内装も美しい新会堂となった横須賀中央教会でのコンサート、前半はバロック、後半はクラシックです。
10月27日(日)13:30〜14:30
J.クーナウ 聖書ソナタ第1番 ダヴィデとゴリアテの戦い
J.S.バッハ トリオソナタBWV528 C.W.グルック 精霊の踊り
B. スターク アメイジング・グレイス 他
フラウト・トラヴェルソ、フルート 森本薫 チェンバロ、ピアノ 小島直子
入場無料 横須賀中央教会 横須賀市上町1-43
京急横須賀中央駅より徒歩5分

[フォルテピアノ+歌+トーク] 2013/9/15 渋谷

松濤・クラシックまにあ<忘れられたピアノの歴史たち>

第1回 9月15日(日)19時開演
<序章>怒濤の進化を遂げたピアノ史をきく
~フォルテピアノで聴く本当のシューベルト、ベートーヴェン~
出演:三浦英治(バス)/丹野めぐみ(フォルテピアノ)高木裕(トー ク)
プログラム:ベートーヴェン ピアノソナタ変イ長調 作品110
ベートーヴェンとシューベルトの歌曲より

入場料:1公演 一般3500円 学生3000円(全席自由・1ドリ ンク付き)
会場:タカギクラヴィア松濤サロン(東京都渋谷区松濤1-26-4)
お問い合わせ・チケットご予約:アコールヴィブレ株式会社Tel: 03-6909-0401 Mail:accordvibrer`gmail.com

タカギクラヴィアのホームページ(http:// takagiklavier.com/)に、第2回以降の日程、内容は、発表されます。

今週9月15日(日)より、渋谷区松濤にあるタカギクラヴィアのサロ ンで、フォルテピアノ、1877年製エラール、1887年製ニューヨーク・ スタインウェイを聴くコンサート(全6回)が始まります。コンサート・チューナーである、高木裕さんのトークも交えながら、本 物の音をお届けする、貴重な機会です。古楽器ファンを始め、ピアノ愛好家の方々に、ぜひ19世紀のピアノの魅力を楽しんで頂けたら、と思っています。
皆様のご来場をお待ち申し上げております。

伊マニャーノでクラヴィコードシンポジウム開催中

イタリア・マニャーノで開催中のクラヴィコードシンポジウムに参加中の会員からレポートが届きました。HPのACTIVITYのページをご覧ください。http://claviersociety.jp/activity/

ムジカ・アンティカ・マニャーノ(国際クラヴィコードシンポジウムを主催) HP

http://www.musicaanticamagnano.com/

新作楽器を持参して参加の製作家・高橋靖志氏のBlogにもレポートがアップされています。

クラヴィコード徒然草⎯Life with Clavichord  http://pub.ne.jp/clavier/