月別アーカイブ: 2013年10月

[クラヴィコード&フラウト・トラヴェルソのコンサート]13/12/1 鎌倉

クラヴィコード&フラウト・トラヴェルソのコンサート

☆鎌倉音楽茶論@カフェ・サンスーシ
カフェ・サンスーシは蓄音機とアンティークの珈琲カップのコレクションなど、店主のこだわりが伺える親密な空間です。12月のカフェ・サンスーシでは、J.S.バッハの先達として、ヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャーの作品を取り上げます。クラヴィコードとのアンサンブルの試みは継続中です。
J.C.F.フィッシャー 「音楽の花束」
                                「 春の日記 」
                                「 音楽のパルナソス山」
                                「 アリアドネ・ムジカ」より
J.S.バッハ  「いざ来ませ異邦人の救い主よ」 他
フラウト・トラヴェルソ 森本薫
クラヴィコード  小島直子
カフェ・サンスーシ  鎌倉市雪の下 3-10-23
会費 2600円 (珈琲付き、ケーキセット付き+400円 )
定員15名 要予約  (046 -23-こ7223)

[フォルテピアノ&ヴァイオリンコンサート]武蔵野 2013/12/07

ベートーヴェンのヴァイオリンソナタを1日で全10曲演奏するというかつてない公演が12月に武蔵野で開催。フォルテピアノはパリ在住の金子陽子さんが担当。

「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 ジル・コリヤール&金子陽子」

2013年12月7日(土) 午前11時開演(午後9時頃終演予定)
武蔵野市民文化会館 小ホール

出演 ジル・コリヤール(バロック・ヴァイオリン) 金子陽子(フォルテピアノ)

チケット 全席指定 一般 3,000円 友の会2,700円
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全10曲演奏会 予定スケジュール
第1部 11:00-13:00
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 op.12-1
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 op.12-2
ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 op.12-3
ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 op.23
第2部 15:00-17:00
ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24 『春』
ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 op.30-1
ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2
第3部 19:00-21:00
ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 op.30-3
ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 op.47 『クロイツェル』
ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 op.96
クリストファー・クラーク作のワルターモデルのフォルテピアノ使用
金子陽子さん HP https://yokokaneko.wordpress.com/

新潟のクラヴィコード・チェンバロ工房訪問記(続き)

新潟の高橋靖志クラヴィコード・チェンバロ工房を訪問しました後に高橋靖志氏製作の別の2台のクラヴィコードも拝見する事が出来ましたので写真でご報告いたします。

高橋靖志氏 2006年製作 クラヴィコード

フレッティド(C-E: フレットフリー、F-d3: ダイアトニカリー・フレッティド) C-d3
51キー 複弦(64本)  1/4ミーントーン
125x34x11cm(w/o モールディング、リッド)
スケーリング c2=246mm

新潟松本宅131007 (24)

高橋靖志氏 2008年製作 クラヴィコード

フレッティド(FF-E: フレットフリー、F-f3:
ダイアトニカリー・フレッティド) FF-f3 61キー 複弦(90本)  ウェルテンペラメント
160x43x13.5cm (w/o モールディング、リッド)
スケーリング c2=254mm

新潟松本宅131007 (17)

新潟のクラヴィコード・チェンバロ工房訪問記

調律師の梅岡です。
今回は新潟三条市のチェンバロ・クラヴィコード製作家の高橋靖志氏の
工房を訪問してきましたのでご報告いたします。
工房は、三条市街から五十嵐川を約十数キロ上流に行った豊かな自然に
囲まれた静かな集落にあります。
車庫の2階を改造した作業場と天井高い試奏室をお持ちで、今回2台の
クラヴィコードを弾かせて頂く事が出来ました。
1台は先日のイタリア・マニアーノのクラヴィコードシンポジウムにも時参
された「修道士のクラヴィコード」という名称の小型の楽器です。
明細ですが
 ゲブンデン C/E-c3 ショートオクターブ (45Key)
 複弦(58本) 最低音4音は巻線
 1045×362×101cm (フタ無し)
 スケーリング C2=261.5mm
 1/4ミーントーン 調律
ブリュッセルの楽器博物館所蔵(未公開)の1600年頃(17世紀)に
イタリアの修道士が作ったと言われている楽器をベースにしたモデル
だとの事です。
小型で質素な作りながら明瞭な発音で明るい音色を持つ楽器でした。
多くの方にクラヴィコードに触れてもらいたいとの事で特別に普及版価格
で製作されているそうで、まずは小型のクラヴィコードを持ちたいと言う方
には最適なモデルかと思います。
もう1台はクラヴィコードは中型のゲブンデンの楽器で、製作第1号の作品
との事でした。
明細ですが
 ゲブンデン C-d3 (51Key) 複弦(68本)
 123×34×10.5cm
 スケーリング C2=230。0mm
 ウェルテンペラメント 調律
 A=440
第1号との事でまだ色々なアイデアを試しながら製作したので現在の作品
とは少しキャラクターが違うとの事ですが、クリアで力強い音色を持つ楽器
でした。
高橋靖志氏の最近のクラヴィコードの作品は、ヨーロッパの製作家仲間から
提供された未公開のデータを元に設計された物もありどれも独自のキャラ
クターを持つ楽器に感じました。
最近クラヴィコードの低音弦には欠かせない巻線を工房で自作出来るよう
になったとの事で、その苦心の巻線機も拝見いたしました。
巻線機の自作には皆さん苦労されているようで、私もヨーロッパの工房で
ご自慢の巻線機を何台も拝見した事があります。高橋氏の巻線機も非常
に機能的な構造でした。早速製作家仲間から巻線の注文が来ているとか。
クラヴィコードと共にチェンバロの製作も続けられており、次作の設計プラン
なども伺う事が出来ました。今までイタリアンやジャーマンを製作されて
ましたが他のモデルにもチャレンジされるとの事。
今回、9月の渡欧でイタリアのマニアーノで行われた国際クラヴィコード
シンポジウムに参加されたお話や、クラヴィコード界の重鎮であるベルギー
の製作家トルネイ氏の工房を訪問されたお話などを詳しく伺う事が出来
ました。
今回のクラヴィコードシンポジウムに日本から楽器を持ち込んで展示、
そしてコンサートでも演奏を披露されたとの事。海外で日本の古楽器製作
の実力をアピールされた事は大変嬉しい事でもあります。
       Blog http://pub.ne.jp/clavier/
            マニアーノのクラヴィコードシンポジウムの報告などが
            写真入りで詳しく掲載されています。
山間の自然に囲まれた工房で一泊させて頂きましたが、その完璧なる
静寂の中にいると、いかに都会での生活での様々な騒音により我々の
耳が疲れているかが良く判りました。
楽器製作家としての鋭い耳を維持するためにはやはり自然の中での
生活が合うのだと改めて実感した次第です。
高橋靖志工房131005 (5) 高橋靖志工房131005 (18) 高橋靖志工房131005 (24) 高橋靖志工房131005 (32)

北九州のフォルテピアノ工房訪問レポート

 
調律師の梅岡です。
今回は先日北九州のフォルテピアノ工房を訪問いたしましたので御報告させて
いただきます。
長年リュート製作家として活動されていました松尾淳氏がフォルテピアノの
製作と修復に転向されて北九州市八幡に新しい工房を開かれたので早速
訪問してまいりました。
松尾氏はリュートの製作や修理の他にもルネサンスハープからチェンバロ
など鍵盤楽器まで広範囲な楽器を扱われておりましたが、以前より「実は
シューベルトの大ファンなので一番手掛けたい楽器はフォルテピアノ」と
おっしゃっており、密かにオリジナルノ19世紀ピアノの収集も開始されて
おりまして、最近ついにリュートなどの製作は終了して正式にフォルテピアノ
製作修復に専念されるとの事を宣言され、新たに北九州市郊外に広い工房
を開設されました。
移転されたばかりの工房は、10台ものピアノが保管されているスタジオ
の他にも木工作業部屋や膨大な材木の保管部屋などかなり広いスペース
を持つ充実した工房でした。
現在オリジナルの19世紀ピアノを10数台所有されており、ウィーン式の
有名メーカーの銘器や英国式のPleyel(1844年と1851年)などをスタジオに
置かれております。(残念ながら弾ける状態の楽器はまだ少ないようですが)
また20年以上前から新作フォルテピアノの製作も開始されており、今まで
シュタイン、ワルター、ナネッテシュトライヒャ(大阪いずみホール所有
楽器のコピー)なども作られたとの事です。
沢山のオリジナルピアノを横に置いて、各部を実際に見て触って参考に
しながら復元楽器を製作するという理想的な製作環境は日本のフォルテ
ピアノの製作家の中では本当に贅沢なものだと言えるかと思います。
今回の工房訪問は、私がコンサートで提供しているJohann Georg Gröber
 (Insbruck 1820)という6オクターブのオリジナルピアノの中規模な修復調整
お願いするためでしたが、作業の合間に工房にある1810年代のウィーン
式のJacob Bertsche(c1812)(6オクターブ)や2台のPleyel(1844&1851)など
の調律をさせて頂く事が出来ました。
1810年~20年頃のウィーン式ピアノのモデルの変遷は実際音を出して
みると文字での知識以上にそのダイナミックなキャラクターの変化を
感じる事が出来ましたし、僅か7年違いのPleyel2台は年代による構造
や音色の違いよりも修復のポリシーの違いから来るキャラクターの落差
を大いに感じる事が出来ました。後世の現代的な発想での修復を経て
しまえばオリジナルで感じる事が出来る当時の香りが相当希釈されて
しまう事も2台を同時に触る事によって感じる事が出来ました。
しかしオリジナルの第2響板が残っているショパン時代のPleyelを触る事
が出来たのも幸運と言えます。
貴重な19世紀ピアノ陣もお願いすれば比較的気楽に弾かせていただける
ようで日本では大変ありがたい事でありますし、それだけでも北九州まで
訪問する価値はあると思います。
松尾氏に伺いますと、引越したばかりの工房でまだ新作フォルテピアノの
製作を開始するまで少し時間が掛かりそうだとの事ですが、まずは人気
のWalterモデル(1795)の製作から開始する予定だとの事です。
(来年半ばにはそのWalterモデルの音が聴ける予定だとか)
平行してオリジナルピアノの修復もされるとの事で、時間は掛かりそうです
がいずれは19世紀オリジナルピアノの銘器の音色も舞台で味わえるの
ではと期待しております。
ネット上で過去の作品が閲覧出来るようですが、連絡先はもう古いよう
ですね。まだ住所や連絡先などは公開されていないようですが、もし
ご興味ある方は梅岡からご紹介させていただきます。
いずれフォルテピアノ関係者の北九州詣でが流行る時代が来るのでは
と期待しております。
松尾新工房131002 (1)
松尾新工房131002 (3)
松尾新工房131002 (6)