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[クラヴィコードコンサート&イベント] 浜松 2016/8/6

オリジナルクラヴィコードのレクチャーコンサートの御案内です。

日本最大の楽器コレクションを誇る浜松楽器博物館で、博物館と日本クラヴィア協会共催による貴重な鍵盤楽器コレクションを使っての多彩なイベントを開催する事になりました。日本で唯一のオリジナルの大型クラヴィコードを使ってのレクチャーコンサートを始めチェンバロ、フォルテピアノ等の展示楽器の特別見学会等など、この日だけという各種イベントを予定しております。浜松までわざわざ足を運んで頂く価値はある特別イベントの1日ですので是非ご参加ください。

2016年8月6日(土) 浜松楽器博物館 (JR浜松駅北口より徒歩10分 駐車場あり(有料))http://www.gakkihaku.jp/

[メインイベント] 「名器リンドホルム・クラヴィコードの魅力」  クラヴィコードコンサート

18時半 開演      楽器博物館内 天空ホール

一般 2000円 学生 1000円(24歳以下の学生)

演奏  宮本とも子 (フェリス女学院音楽学部教授)

北欧ストックホルムの名工P・リンドホルムが1788年に製作した5オクターブ半(F1~c4)の大型クラヴィコードを使ってのレクチャーコンサートです。日本に数台しか無いオリジナルクラヴィコードの中でも唯一の大型楽器です。この貴重な楽器を使ってCD録音もされている宮本とも子さんの演奏とお話でオリジナルクラヴィコードの魅力を至近距離で存分にお伝えいたします。

[特別企画] 博物館展示鍵盤楽器 特別見学会

17時~17時45分  博物館展示室

参加費無料  ★日本クラヴィア協会会員 もしくは コンサート参加者に限定

博物館に展示されている貴重なオリジナル鍵盤楽器陣を専門家の解説演奏付きでご紹介していきます。チェンバロ(カークマン) スピネット(キーン) フォルテピアノ (クリストフォリ(複製) グラーフ  ワルター ブロードウッド) スクエアピアノ (ブロードウッド)等を予定。多数のオリジナル楽器を間近で堪能出来る貴重な機会です。

★参加希望者は博物館閉館時間に入口で集合してください。

[特別企画] 「クラヴィコードって何?」 レクチャーイベント

博物館内 天空ホール  13時半 14時半 15時半 各約20分

無料 (入館者なら誰でも参加出来ます)

出演  宮本とも子

クラヴィコードという楽器の魅力を演奏付きでご紹介します。チェンバロやフォルテピアノとの違いを聴き比べするため特別に2台のオリジナル楽器も登場の予定。チェンバロ   (F.マルキオーニ (フィレンツェ)1646年製) フォルテピアノ (ゲラルディ(マルマ イタリア)1812年製)も演奏いたします。 

[特別企画]  展示鍵盤楽器デモンストレーション (演奏付き楽器紹介)

博物館内 鍵盤楽器展示室  14時 15時 16時 各約20分

無料 (入館者なら誰でも参加出来ます)

演奏 岩淵恵美子(チェンバロ・フォルテピアノ奏者)

展示されている多数の鍵盤楽器陣を3回に分けて演奏付きでご紹介していきます。最近は鍵盤楽器のデモンストレーションは行っていないのでその音色を聴ける貴重な機会でもあります。

★ 午後の無料イベントに参加される方は博物館入館料は必要です。

以上、8月6日の各種イベントのご紹介でした。この日は貴重なオリジナル鍵盤楽器コレクションを存分に堪能出来る1日となるかと思います。是非昼のイベントからご参加ください。

参加御申し込み   梅岡  umeoka-gakki@nifty.com  または浜松楽器博物館まで

詳しくはこちらをご覧ください。 http://umeokagakki.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-da0f.html

浜松楽器博物館へのアクセス http://www.gakkihaku.jp/guide/access/

参考   東京~浜松    <新幹線> 片道  7770円 約90分 (こだま早割 6500円) 浜松駅最終(上り) 21時59分 <車> 東名高速 片道  5530円 (230km) 周辺駐車場あり(有料) 

★ 東京より車で移動の方で同乗者受け入れ可能な方、または同乗希望の方も梅岡までご一報ください。

 

[オリジナルクラヴィコードの製作家について] 高橋靖志

新潟在住のクラヴィコード・チェンバロ製作家の高橋靖志氏よりオリジナルクラヴィコードについての興味深いレポートをお送り頂きました。

みなさま

梅岡さんよりご案内のありました6月16日池袋明日館でのコンサートで使用するオリジナルクラヴィコード調整を担当しました。その過程で、たいへん興味深い事実が判明しましたのでレポートします。

高橋 靖志

このサインのないクラヴィコードは、フレット式(diatonically fretted)でありながらFF-f3の5オクターブの音域を持つ珍しいタイプの楽器です。歴史的楽器としては、このタイプの楽器は11台が確認されています。そのうち製作者のサインのあるものは、Hassが2台、Hubertが1台、Schmahlが3台など合計8台、サインのないものは少なくとも3台あり、この楽器はそのうちの1台です。

音域: FF-f3
フレッティングシステム: diatonically fretted
長さ: 1575mm
幅: 420mm
高さ: 125mm
スケーリング: c2=260mm
Stichmass: 477mm(3オクターブの鍵盤幅)
ケース材: オーク

今回この楽器に、南ドイツRegensburgのSchmahlの楽器と酷似する特徴が数多く見つかりました。Schmahlは、南ドイツで17世紀末から19世紀初めにかけて5世代に渡って数多くのオルガン、クラヴィコード、ピアノ製作者を排出した楽器製作者の一族です。3代目となるChristoph Friedrichに始まるRegensburgのSchmahlの楽器は、サインのあるものが9台、サインのないものが7台の合計16台が確認されています。

ところで、この楽器にはイニシャルと思われる文字が2箇所に書かれています。底板CEFとCGFと読める文字が、キーの裏側にもCEFと読める文字があり、キーに書かれた文字はそれぞれ対応する音名のキーの裏側に書かれています。これらの文字を見てクラヴィコードに関心のある人がまず思い浮かべるのは、Christian Ernst Friederici(1709-1780)とChristian Gottfried Friederici(1714-1777)の兄弟と、Gottfriedの息子のChristian Gottlob(1750-1805)でしょう。ErnstのクラヴィコードはC.P.E. Bachが所有していたことで有名ですが、現存するFriedericiファミリーのクラヴィコードはGottfriedのものがLeipzigとParisに1台ずつ、いずれもFF-f3の音域を持つunfrettedの楽器で、frettedの楽器は残されていません。

Schmahl (Regensburg)クラヴィコードの主な特徴として
1. オーク製のケース
2. キーレバーの飾り彫り
3. キーのバランスホール周辺のケガキ線
4. キーフロントのアーケイド
5. ツールボックス内に伸びたバスヒッチピンレールとその形状
6. 長方形の両端を丸くカットしたマウスホール
7. J字状で両端を直角にカットしたブリッジ
があげられます。

今回調査した楽器は、これらの特徴がすべて一致しました。一方、Friedericiとの類似はわずかしか認められませんでした。ポイントとなる特徴を以下に比較していますが、メーリングリストでは写真を文章の間に入れることができないので添付ファイルとして何枚かを投稿したいと思います。

1. キーレバーの飾り彫り
Schmahlは、交互に向きを変えた斜めのラインと両端のスプーン状のカットが特徴ですが、この楽器も全く同一形状を持っています。一方FriedericiのうちParisのものは中央を削り残すパターンになっています。LeipzigのFriedericiは、判別可能な写真が見つかりませんでしたがインターネット上の数台のコピーの写真から見る限りでは、Schmahlとは異なるパターンの斜めラインを持っていると思われます。

2. バランスホール周辺のケガキ線
16台のSchmahlのうち12台に、ナチュラルキーとシャープキーそれぞれにセンターと両端を示す3本、彫りの端の部分に1本の計7本のケガキ線があり、7本のケガキ線がないことが確認されているのは2台のみです。今回調査した楽器にも同様の7本線があります。一方Friederici(Paris)は、写真からの判断ですがセンターに1本ずつのみであることが読み取れます。

3. キーフロントのアーケード  アーケードの一致は製作する刃物が同一であることを意味するので、製作者を特定するための重要なポイントの一つです。対象となるSchmahlとは写真での比較ですが一致していると見てよさそうです。
4. ツールボックス内に伸びたバスヒッチピンレールとその形状  これは、トロントのサインのない楽器を調査しSchmahlとされると結論付けたGregory Crowell氏に写真を送って見てもらった際に、いくつかの特徴に加えてこの形状が一致すればSchmahlであることは間違いないと指摘された部分です。どちらもバスヒッチピンレールがツールボックスの中まで伸びていますが、これはより楽器の強度を増すための工夫でしょう。そしてその端は、ツールボックスの容積を確保するために斜めにカットされています。一方、Friedericiのバスヒッチピンレールは直角にカットされツールボックス内部まで伸びていません。
5. マウスホールの形状  16台のSchmahlの内8台は,長方形の両端を円形にカットした形状のマウスホールを1つ持っています。その他は長方形が1台、楕円形が1台、形状が確認できないものが2台、不明が4台となっています。この楽器にも、他の多くのSchmahlと同様の長方形の両端を円形にカットしたマウスホールがあります。一方、FriedericiのマウスホールはLiepzigは小さめの長方形のものが2つ、Parisは確認できていませんががおそらく長方形が1つです。
6. ブリッジの形状  Schmahlのブリッジの特徴は、高音部分の小ぶりな曲線とストレートに伸びた低音部分からなるJ字状の形状と弦の当たる部分切り込んだ溝ですが、同様の特徴はFriedericiにも見られます。一方Schmahlのブリッジの両端は直角にカットされていますが、Friedericiでは低音、高音ともほぼケースと並行になるよう斜めにカットされています。

 

これらの比較の結論として、今回調査した楽器はRegensburgのSchmahlファミリーと類似する多くの明確な特徴を持っている一方で、Friedericiとの類似はわずかであり、したがってこの楽器はattributed to Schmahlとするのが妥当と考えられます。ただ、イニシャルの謎は残りますので、これは継続して調査したいと思います。
製作年代は、おおまかには他のSchmahlの現存例から、1790年代からChristoph Friedrichが亡くなる1814年までの間と考えられますが、Crowell氏はツールボックスの蓋の形状から1794年以降と推測しています。

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Attachment(s) from yasushi.takahashi@yahoo.com [JapanClavierSociety] | View attachments on the web

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[クラヴィコード&トラヴェルソ レクチャーコンサート] 池袋 2016/6/16

池袋の洋館で開催しますオリジナル楽器コンサートシリーズのご紹介
をさせていただきます。
 明日館 オリジナル楽器シリーズ 2016
    (東日本大震災復興支援コンサートwith明日館)
                  ・
「数百年の時空を越えて 今我々の前に現れた奇跡のオリジナル楽器達」
~ オリジナル楽器は現代楽器と何が違うのか?
   当時の音色を継承する歴史的遺産の魅力と謎に迫る!~
                  ・
第2回 有田正広 レクチャーコンサート

        オリジナル・クラヴィコードとオリジナル・フルートを巡る
                  ・
 2016年6月16日(木) 19時開演(18時半開場)
        自由学園明日館 ラウンジホール(限定50名)  http://www.jiyu.jp/

        料金 4000円
        チケット申込  umeoka-gakki@nifty.com (梅岡)まで
        主催 : 目白古楽ネットワーク (梅岡)

共催 : 自由学園明日館 http://www.jiyu.jp/

★ コンサートの収益を東日本大震災と熊本地震への復興支援の義援金としてお送りする予定です。

数百年前の音色を現代に伝える貴重な生き証人ながらその数は大変少なく
また舞台で音色を聴ける機会はヨーロッパでも滅多に無いオリジナル楽器
ですが、その貴重な音色を東京で味わえるというコンサートシリーズを開催
する事になりました。
また今回は1921年建築という重要文化財の洋館の音響素晴らしい会場
での演奏です(我々は今年から使用する新規の会場です)。
都内有数の古楽器向きな芳醇な響きの中で歴史的遺産たるオリジナル楽器
の音色を至近距離で是非ご堪能ください。
  ★ 4月28日開催の第1回フォルテピアノ公演に続き第2回はフルートの
    名手有田正広氏によるレクチャーコンサートです。今回は自身が長年
    に渡り蒐集したフルートの歴史的銘器の数々と共に日本では数台しか
    ないという18世紀のオリジナルクラヴィコードも使い、管楽器と鍵盤
    楽器両方のオリジナル楽器の魅力とその真髄を演奏とお話で解き
    明かします。
    またこの無銘のクラヴィコードですが、以前の調査ではFriedericiの
    作品とされていましたがつい今月の調査で名工Schmahlの作品と
    特定されました。その調査結果も発表の予定。
<使用楽器> オリジナルクラヴィコード
  •  Christian Ernst Friederici (1709-1780) ?  or Christian Gottlob Friederici (1750-  1805) ?   Schmahl 作

<使用楽器> 18世紀オリジナルフルートの数々

  • (1)Beaulieu, Jacques Roger de (c.1660–c.1725)  Versaille

“Le member de I’Ecuric  1685 (acc to M.Benoit)

黒檀 銀マウント 1キー A=394 c.1710

  • (2)Stanesby Junior, Thomas (1692–1754) London

(a)黒壇 象牙マウント 銀1キー A=415 c.1725

(b)象牙 銀マウント 1キー A=413 c.1730

  • (3)Quantz, Johann Joachim (1697–1773) Dresden or Berlin

ツゲ(赤茶に着色) 象牙マウント 銀2キー(D#/E♭) 7本の替管

恐らく1730年頃、パリからドレスデンに戻った頃の作。

1741年の肖像画の中に描かれた笛と考えられている。

  • (4)Lot,Thomas (1708–1787) Paris

(a)ツゲ(赤こげ茶に着色) 象牙マウント 銀1キー 5本の替管 c.1735

(b)“La Flute d’amour” 材質は不明 恐らく楓?(こげ茶に着色)

象牙マウント 銀1キー A=420 c.1740

  • (5)Scherer, Georg Heinrich (1703-1778) Butzbach

象牙 彫刻された銅に金メッキの1キ―(恐らくオリジナルでは無い)

3本の替管  c.1740

  • (6)Delusse, Christophe (1720?–1789) Paris

ツゲ(薄く着色) 銀1キー A=420  c.1760

  • (7)Kirst, Friedrich Gabriel August (1750–1806) Potsdam

薄く着色されたツゲ 象牙マウント 銀1キー 4本の替管 c.1780

  • (8)Grenser, Heinrich (1764–1817) Dresden

薄く着色されたツゲ 象牙マウント 真鍮8キー(オリジナルは6キー)

3本の替管 c.1790 – 95

<Clavichord Programme>

  • J.S.Bach (1685-1750)   Praeludium C-Dur BWV846
    • H.Purcell (1659-1695)   2 Minuets in a-minor (Z.649/650) (1689)
    • W.A.Mozart (1756-1791)  Adagio für Glasharmonika C-Dur K.356(617a)(1791)
    • H.Purcell (1659-1695)    Ground in c-minor (Z.D221)(c.1690)
    • J.Haydn (1732-1809)     Adagio e-moll Hob.XVI:47 (from “7 sonaten”)
    • C.Ph.E.Bach (1714-1788)  Abschied von meinem Silbermannischen Claviere in  einem Rondo, Wt.66 (1781)

<Flute Programme>

  • J.M.Hotteterre <Le Romain> (1674-1763)  Eco (Echo!) (1708, Paris)

J.M.Hotteterre <Le Romain> = M.Lambert

L’autre jour ma Cloris  (c.1720, Paris)

  • G.Ph.Telemann (1681-1767)     12 Fantasien ~  (c.1732, Hamburg)
  • J.S.Bach (1685-1750)       Solo (Partita) a-moll BWV1013 ~  (c.1725, Leipzig)
  • J.J.Quantz (1697-1773)        Capricen ~  (c.1750, Berlin)
  • M.Blavet (1700-1768)          Recuiel ~  (c.1735 Paris)
  • W.A.Mozart(1756-1791) = E.A.Müller(1767–1817)  Theme favorite de W.A.Mozart (1801, Berlin)
   明日館オリジナル楽器シリーズ 公式HP
今後の公演予定 (すべてオリジナル楽器使用 限定50名)
 第3回 有田千代子 チェンバロリサイタル
        フランス・クラヴサン音楽
   2016年10月27日(木) 19時  自由学園明日館 ラウンジホール
 第4回 有田正広&有田千代子 コンサート
                   Ruckersチェンバロと18世紀フルートの銘器
                     で奏でる親密な二重奏の世界
   2016年11月25日(金) 19時  自由学園明日館 ラウンジホール